10人以上の労働者を使用する場合は就業規則を作成し、労基署に届けなければいけません。しかし、形だけの就業規則でいいのでしょうか?
 
そもそも就業規則がなければ、Gパンにサンダル履きで出社してきた社員に服装を正すこともできませんし、素行不良の社員であっても解雇できません。罰する法律がないのに、道徳に反するという理由だけでは検挙されないのとおなじです。労働契約の多様化のこのご時世に、10年前から就業規則の見直しを行っていないというのは大変問題です。
 当事務所では、時代のニーズに合った労働契約・就業規則の作成を心がけております。また、労使間の対立ではなく、WinWinの関係を構築するためのお手伝いをいたします。


労働条件の明示義務 
絶対的明示事項(必ず明示が必要である事柄、昇給に関する事項以外は書面の交付が必要))
1、労働契約の期間に関する事項
2、就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
3、始業及び終業の時刻、所定労働時間を労働の有無、休憩時間、休日、休暇ならびに労働者を2組以上に分けて就業させる場合における終業時転換に関する事項
4、賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金、賞与等を除く)の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切及び支払の時期ならびに昇給に関する事項
5、退職に関する事項(解雇の事由を含む)

相対的明示事項(定めがある場合には明示する必要がある事柄)
1、退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法ならびに退職手当の支払いの時期に関する事項
2、臨時に支払われる賃金(退職手当を除く)、賞与及び則8条各号に掲げる賃金(臨時の賃金等)ならびに最低賃金額に関する事項
3、労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
4、安全及び衛生に関する事項
5、職業訓練に関する事項
6、災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
7、表彰及び制裁に関する事項
8、休職に関する事項

就業規則について 
就業規則にも絶対的明示事項と相対的明示事項があり、その内容はほぼ労働契約と同じです。
常時10人以上の労働者を使用する使用者は、事業所ごとに就業規則を作成し、所轄労基署長に届け出が必要です。この場合の10人以上にはパート・アルバイトも含まれます。
また、10人未満の事業所であっても、就業規則を作成した場合は届け出なければなりません。

休日、休暇、労働時間について 
使用者は、週に最低1日の休日を与える義務がある。とされていますが、また、4週間に4日以上の休みを付与することともされています。要するに毎週同じ曜日でなくてもよいのです。(4週間の起算日の明示義務あり)

ややこしい話ですが、休日の振替では割増賃金は不要ですが、代休では必要となります。

有給休暇は、6ヶ月間所定労働日数の80%以上出勤した場合に与える必要があります。パートタイマーであっても、所定日数・時間によっては必要です。

労働時間は1日8時間、1週40時間が原則です。これ以上勤務させる場合には36協定が必要で、割増賃金の支払いの対象となります。ただし、労働時間には様々な例外規定があります。例えば、常時10人未満の商業、映画・演劇、保健衛生、接客娯楽業は1週44時間まで可能ですし、年少者の規定もあります。それ以外にも変形労働時間制、フレックスタイム制などを取り入れる企業もあります。
 
裁量労働制について
1、事業場外労働
厳密には裁量労働ではない。外勤の労働者で、労働時間を算定しがたい場合は、所定労働時間労働したものとみなします。ただし、携帯電話等で具体的に管理監督者の指示を受けながら労働するような場合は事業場外労働になりません。
また、営業員などが外勤後、事業場内で引続き労働した場合は、所定労働時間に事業場内での労働時間の合計が労働した時間とされ、法定時間を超えた場合は割増賃金の支払いが必要となります。

2、専門業務型裁量労働制
専門職的色彩の強い業務で、業務の性質上その遂行抱負を大幅にその業務に従事する労働者の裁量にゆだねる必要があるため、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し具体的な指示をすることが困難とされるデザイナーや設計者、編集者など19種類の業務を対象としています
条件としては以下の事項を労使協定で定めておく必要があります。(有効期間を別途定めておく)
@対象業務であること(19種類内であること)
A1日当たりのみなし労働時間
B時間配分等を使用者が具体的な指示をしないこと
C使用者が、労働者の健康および福祉を確保するための措置を講じること
D労働者からの苦情の処理に関する措置を講じること

3、企画業務性裁量労働制
対象となるのは、企画、立案、調査及び分析の業務であって、業務の遂行の手段及び時間の配分の決定に関し使用者が具体的な指示をしないこととする業務です。
対象労働者は、知識、経験等を有するものであり、本人の同意が必要です。
また企画業務性裁量労働制の採用に関しては、労使協定ではなく、労使委員会を設置し、委員の5分の4以上の多数による決議が必要です。
 
労働基準法の規定を記述してきましたが、現状はどうでしょうか?
大手企業ならともかく(大手企業もどうかわかりませんが・・)零細企業がすべて法令を遵守しているでしょうか?おそらくそうではないでしょう。しかし、不景気になればなるほど、労働者は法令を学び、主張してきます。経営者も知識をつけていく必要があるでしょう。

よくあるご質問

就業規則
Q当社はパートを含め従業員は10名を越しますが、正規社員は10人未満です。その場合は就業規則の作成は不要ですか?
A常時10人以上の労働者を使用する使用者は就業規則の作成を義務付けられていますが、労働者の中にはパート・アルバイトも含まれます。また、労働者が10人未満の場合でも就業規則を作成した場合は、所轄の労働基準監督署長への届け出が必要です。

Q就業規則の作成・変更は労使の合意が必要ですか?
A就業規則の作成・変更の際には、労働者の過半数を代表する者の意見を聴く必要があります。必ずしも同意は必要とされていません。変更の内容が合理的なものであれば、その変更の適用を拒否することはできません。

解雇
Q解雇制限期間内に契約期間の満了を迎えた労働者の労働契約は、制限期間が終了するまで労働契約の期間延長が必要ですか?
A業務上の傷病、産前産後の休業中およびその後30日間はいかなる理由であっても、その労働者を解雇することができません。しかし、その期間内に有期の労働契約が満了する場合はもともと解雇には当たらないため、契約を延長する義務はありません。
ちなみに育児休業期間中の場合は、育児休業を取得したことを理由として、解雇・その他不利益な処分をすることは禁止されていますが、解雇そのものの禁止はされていません。

Q解雇予告手当はいつまでに支払わなければなりませんか?
A解雇の申渡しと同時に支払う必要があります。支払わない場合は即時解雇としては認められません。

Q試用期間中の労働者は解雇予告手当なしで、即時解雇できますか?
Aその労働者が14日を超えて引き続き使用されていた場合には、解雇予告制度が適用されます。30日以上前の通知または、30日分以上の平均賃金の支払いが必要です。

賃金
Q当社では創立○○周年を記念して、全社員に記念品をおくることを検討しています。ただし、経費処理の都合上、記念品相当額を給与支給として扱いたいと考えていますがいかがでしょうか?
A給与は通貨で支払うことが原則とされています。通勤定期なども現物支給する場合は労働協約での定めが必要です。

Q管理監督者の時間外手当の有無についての報道がなされていますが、管理監督者であれば一切の時間外手当は不要ですか?
Aそもそも管理監督者とは、
@労務管理に関して経営者と一体的な立場にあり、A出社・退社等について厳格な制限を受けず、Bその地位にふさわしい処遇・待遇がなされていること、とされており、多くの管理職は名ばかり管理職とされることとなります。仮に管理監督者と認められた場合には、時間外、休日の割増手当ては不要ですが、深夜手当は必要となりますのでご注意ください。



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